令和五年度入学式
令和5年4月10日に本年度の入学式が行われ、鷹揚同窓会の緒方会長が祝辞を述べられました。
三百名の新入生の皆さん、大津高等学校へのご入学おめでとうございます。保護者の皆様におかれましてもお子様の晴れ姿にお喜びも一入のことと存じます。
ただいまご紹介いただきました鷹揚同窓会の緒方と申します。「鷹揚」という文字には、鷹が空を飛翔するように、何事も恐れず悠然としているという意味が込められています。
本校の歴史は大正十二年(1923)創立の旧制大津中学校にさかのぼります。当時、菊池・阿蘇地域には普通中学がなく、一部の裕福な家庭の子弟を除くと進学の夢はたいへん厳しかったようです。地域の人々の教育に対する熱い願いが届いて、一九二三年、県立大津中学校「大中」が誕生したわけです。その後、戦後の学制改革を経て、男女共学の新制高等学校として現在に至っています。この間に同窓生は二万三千名を超え、県内はもとより、全国あるいは海外で活躍されています。
ところで、今年は十年ぶりの寒波でした。一月の電気代の請求にビックリしたご家庭も多かったと思います。実は、その寒波の影響が桜に現れました。ソメイヨシノの開花が最も早かったのは、東京で三月十四日でした。桜の花芽は冬に入る前にいったん休眠し、成長をとめます。そして冬の厳しい寒さによって再び目を覚まし、そこから春の暖かさによって成長していきます。つまり、冬にある程度寒くなることが桜の開花に必要なのです。一月、首都圏に降った大雪が、東京の桜の開花を早めたという事です。
厳しく寒い冬を過ごした雪国のこどもが「雪が融けたら何になりますか」という問いに「雪が融けたら春になります」と答えた逸話があります。厳しい試練を経験することが人間を大きく成長させることにも通じるように思います。「艱難辛苦汝を玉にす」の言葉を贈ります。
今、皆さんは、期待と不安が入り混じった複雑な心境だと思います。入学にあたり、自分にチャレンジしてみませんか。自分の可能性を信じ、やりたいこと、熱中できることを大津高校で見つけて挑戦してください。今は漠然としている夢も、日々の努力を重ねればきっと実現できると信じます。
本校は、昨年、創立百年という大きな節目を迎え、同窓会では、百周年記念誌を作成しました。この中には、長年ご勤務いただいた先生方の思い出や、各界で活躍されている先輩方の貴重なメッセージ、仕事に懸ける思いが掲載されています。後日、皆さんにもお渡ししますので、ぜひご一読をお願いします。
次の百年に向けて走り出す絶好の機会に入学された皆さん、優れた先生方のご指導のもと、友達との友情をはぐくみ、伝統のバトンを引き継いでください。新入生の今後のご活躍を祈念して同窓会を代表してのあいさつとします。
令和五年年四月十日
熊本県立大津高等学校鷹揚同窓会会長
緒方 一夫
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